このコーナーは、立道昌幸先生(東海大学医学部公衆衛生学教授)のご協力により、論文・レビューのご紹介をいただいています。先生からのレターとともに掲載いたします。


アドバ研の先生方こんにちは!

これから産業保健を関わっていく方に、是非よんでいただきたい論文やレビューを紹介していきます。

まずは、第一シリーズとして、今働き方改革が注目されていますが、ではなぜ時間外勤務時間を月80時間となったのかの経緯を見てみましょう。時間外勤務時間を2-3か月の平均月80時間以上、単月100時間以上とした2002年以前には、いくつかの論文はありましたが、実はそれほど多くなく、今でいう、系統的にシステマテイックレビューで量的に決定されたのではなく、また大規模コホートからのデータはなく、一部のコホートと多くの症例-対照研究からの結果を根拠として決められています。

これらの論文の中で、週に50-60時間以上の労働時間以上になるとリスクの上昇が認めらえたことから月80時間が一つの目安になっています。(また、今回出しておりませんが、月80時間以上働くと疲労感を訴える労働者が増えるという点も考慮されています。)まずは、岩崎健二先生が、日本労働研究雑誌 に2007年にまとめられたレビューで研究の問題点やその労災認定基準を決められた経緯を紹介されていますので、大筋を理解してください。

そして、その中でも紹介されています、(現)三重大学教授の笽島茂先生がBMJに出した、論文が代表的です。労働時間と心血管疾患との関係は、U字型を示すことが特徴です(つまり多くても少なくてもリスクになる)。この後、日本も世界でも労働時間とともに睡眠時間との関係の論文が多く出てくることになります。次回はその中で代表的な論文を解説したいと思います。

今回は、最後に、過労死研究センターの高橋先生が過労死実態をまとめている論文をご紹介しますのでご確認ください。

1-1. 長時間労働と健康問題

https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/06/pdf/039-048.pdf#search=%27%E9%95%B7%E6%99%82%E9%96%93%E5%8A%B4%E5%83%8D%E3%81%A8%E5%81%A5%E5%BA%B7%E5%95%8F%E9%A1%8C%27

1-2. Working hours as a risk factor for acute…

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC28666/

1-3. Sociomedical problems of overwork‐related…

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6620752/