ご挨拶

設立の目的

産業医資格を持つ意欲ある医師を対象に、実務に役立つ実践的な教材と情報を提供し、職場の産業保健課題を独力で解決できる産業医育成を促すことをもって、健康、安全、快適な労働生活の実現に寄与することを目的とする。

ホームページリニューアルに寄せて

2026年4月1日

この度ホームページをリニューアルし、デザインの刷新に加え、読み込み速度の向上やユーザビリティの改善をおこないました。ご利用の皆さまがさらに効率よく学習できることを願っています。

JOHTAは2019年4月に発足し、同年9月より会員募集とオンラインライブセッションを開始しました。7年が経過し、現在計1400名(正会員約450名、無料会員約950名)を超える規模にまで成長することができました。すべて皆さまのご参加ご声援のおかげです。心より感謝いたしますとともに、これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

さてJOHTAが産声を上げたころ、日本医師会産業保健委員会は答申にて、「大都市圏を中心に認定産業医の中には、契約する事業場が見当たらないという医師が増加している。2020年(令2)5月」と報告しています。あれからすでに6年が経つわけですが、指摘された状況はますますその程度を増しており、とくに都市部においてはその傾向が強まっていると感じます。どうも都市部では、企業側の需要と産業医側との需給バランスが逆転現象となっており、これから先も両者の関係は一方的であることから元には戻らない可能性があります。

一方的とは何かというと、産業医の資格取得者数は一方的に増加している反面、企業側が、人口減少と経済不調を背景に増加の傾向にはないからです。人口減少は生産年齢人口の減少も同時に引き起こしているはずですが、現在のところまだ大きなインパクトになっていないのは、高齢者の就業年齢上限が引き上げられて労働者数の激減を緩和していること、女性労働者の職場への流入、および体調に不安のある方々も両立支援施策によって就業継続が支援されている等があるからと思われます。しかし、あと30年で生産年齢人口が2/3に減少すると予想されている人口動態はほぼ確実のようですし、予想を上回る近年の出生数減少は、現在の人口減少スピードを納得させるのに十分です。産業医の需給バランスは、経済状況や人口動態で変化する市場ダイナミズムだけで説明されるものではないものの、経済ボリュームに依存することは明らかである以上、国内経済力が停滞したままでは未来を描くことはできません(この傾向は地方においては明瞭ではありません)。

こういった背景と現象は、すでに産業医性(産業医に求められる職務要求性)に二極化をもたらしています。産業医はその活動範囲が広いだけに二極化は多軸において見られますが、一例の軸を言えば、地域保健としての産業医性が軸の端にあり、軸の対局には産業保健があります。この場合、前者は職場での公的な福祉サービスの展開が主体であり、後者では私的な福祉サービスが主体であると言えばわかりやすいかもしれません。もっと具体的に言うと前者の場合、職場にて地域住民に展開している公的健康管理サービス(一般健診、がん検診、保健指導等)を提供することが産業医活動の主体と考えており、後者の場合は、公的健康管理サービスに加えて、企業が独自にもつ福利厚生制度を活用しながら労働者が労働生活をより健康的により快適に過ごせることができるように、産業医が職務適正を判断し労務調整をすることを業務の主体と考えています。ここには多分に労働衛生的機能が入り込みます。公的サービスの延長線として職場をとらえる産業医と、後者サービスを含んで労働衛生上の配慮をする産業医とではその違いの優劣は明白です。とくに後者の産業医の場合には、企業が労働力を人材から「人財」として定義しなおす傾向となって以来、健康の専門家である産業医に対する人財管理への協力期待感は高まっています。

この二極化を資源と資本という視点で整理してみると、前者の公的サービスは産業医性を資源としてとらえる傾向にあり、後者では資本としてとらえる傾向にあると感じます。両者の本質的な違いは何かというと、それが資源であるならば、量的管理が中心となるので、人数、労働時間、配置が検討の焦点となり、「不足すれば補充」「余れば削減」という発想に終始してしまうことです。逆にそれが資本であるならば、質的向上に焦点が行くので、スキル、知識、技能性に投資することで価値が増幅し、産業医の場合、関与する労働集団への良質な健康維持とエンゲージメント効果として期待されることにつながります。産業医は資源的な側面を持ちつつも、資本である必要があると考える次第です。

労働安全衛生法施行(1972年)から50余年が過ぎ、産業医制度は当初課題であった産業医不足という難問題を克服しつつあります。そして同時に脱工業化にともなう産業構造の変化によって新たに発生する課題に対して取り組まなければなりません。それは、量的な問題が克服された後の、質的な課題に向かうパラダイムシフトと言えます。時間軸で言えば、医療の提供から始まった産業医活動が、長らく「医師として労働者の健康を守る」ことをもって「事業者の安全配慮義務を果たす」という構造の中で過ごしてきたところ、これからの産業医は、「事業者の安全配慮義務を果たす」支援をすることをもって「産業医として労働者の健康を守る」という逆回りの産業保健に転換していくというパラダイムシフトです。

JOHTAは次代の産業医育成を目指すトレーニングセンターとして機能しており、「解決する産業医」というフレーズは変わることなく、これからも現場の悩みや課題を解決できる高い技能をもつ産業医集団を目指しています。

皆さんのますますのご成長とご発展を祈念しております。

2026年(令和8年)4月1日
一般社団法人産業医アドバンスト研修会
理事長 浜口伝博

ご挨拶

2021年4月1日​

平成31年(2019年)4月、働き方改革関連法が施行されました。

今回の法改正は、労基法、安衛法を含む労働行政70年ぶりの大改革と言われています。改正安衛法では、産業医の独立性・中立性の確立とともに「産業医の権限強化」が打ち出され、産業医側には「誠実職務義務」「知識能力向上義務」が加えられました。産業医機能の拡充をもって、労働者の安全と健康を確保するとのメッセージと読み取るべきと思います

日々変化する産業現場には新種の課題が出てきます。

職場では「今、そこにある産業保健問題」に対して、専門知識をもって「解決する」ことが求められています。
その意味で、社会に応える産業医とは、知識技能向上への不断の努力のもと、公益を重視した「問題解決型産業医」と言えます。

しかし多忙を極める多くの産業医にとって情報入手や技能研修の時間は多くありません。先生方を支援するためにはネット配信がきっとお役に立つと考え、e-ラーニング研修サイト「一般社団法人産業医アドバンスト研修会」を立ち上げました(2019年4月1日設立、同年9月1日開講)。
多忙な先生方が時間の合い間に、気楽にPCや携帯から視聴していただけるよう、学習コンテンツや対談ビデオなど豊富に収載しています。また毎週のようにオンラインにて参加型研修も行っていますので、実務面でのブラシュアップに役立ちます。

コンテンツやプログラムは下記の先生方を意識して制作しています。

  • 産業医技能を継続的に向上させ、実践的な産業医力を身につけたい方
  • 産業医経験が十分でなく、情報収集と人的ネットワークを広げたい方
  • 自分一人で産業医活動しているため、偏らない情報を入手したい方

会員には、正会員(有料会員)と無料会員(会員登録のみ)の2種類があり選ぶことができます。
正会員はHPに収載しているすべてのコンテンツを視聴することが可能ですし、オンラインでの研修にいつでも参加することができます。加えて、クローズドネットにて自由に仲間づくりをすることができたり、質問コーナーで活動上の悩みや困難事例を相談することができます。また産業医募集情報や関連情報の入手もできます。

私たちは、産業医の先生方の知識技能の向上を支援します。

産業医活動を通して労働者の健康および職場の安全快適が実現され、もって社会公益に資することが私たちの目的です。本旨はまた、賛助会員の皆さんも強く同意されるところです。
本研修会が、産業医活動に真摯に取り組む先生方の道標となり、頼れる杖となれますよう日々前進してまいります。
皆様の積極的な参加をお待ちしています。

令和3年(2021年)4月1日
一般社団法人産業医アドバンスト研修会
理事長 浜口伝博